音割れサウンドとは
そもそも「音割れ」とは音の信号レベルが機器やデータの許容範囲を超えてしまい、波形が潰れて歪んで聞こえる状態のことです。
音は上下に動く波形として扱われますが、波形の上下が最大レベルまで達すると波形がバッサリと切り取られてしまいます。
この形を「クリッピング」といいます。

ギターアンプやエフェクターなどの意図的な歪みを除き、音楽業界ではこのような音割れは禁忌とされていましたが
近年、この常識をぶっ壊しているのがHyperpop(ハイパーポップ)、Digicore(デジコア)、ヒップホップなどのアングラサウンドでしょう。
今回はアングラヒップホップ系のビートを作ってみました↓
0:10あたりから入ってくるキックと808ベースで音を割っています。
ここからは音割れサウンドをうまく作る方法について、いくつか紹介していきます。
ソフトクリッパーを使う
ソフトクリッパーは音割れの中でも、どちらかというと自然な歪みに仕上げてくれるエフェクトです。
クリッピングの形が滑らかなため、アナログ感のある自然な歪みになります。
Rage(レイジ)ビートやglo系、アングラヒップホップではもちろん、メインストリームのヒップホップでも使われています。
海外のプロデューサー達がFL Studio純正の「Fruity Soft Clipper」を使っているチュートリアル動画を見たことがあるのではないでしょうか。

Hiphopのトラックメイクではこのソフトクリッパーをマスタートラックの最終段にかけるのが定番ですが、
808ベースやキックなどの低音部分にかけることでアングラ系サウンドを作ることも可能です。
おすすめのソフトクリッパープラグインはこちらの記事をご覧ください↓
意図的にクリッピングさせる
サウンドの音量を無理やり上げることで意図的にクリッピングさせることもできます。
この手法をキックや808に使うと攻撃的な歪みサウンドが作れます。
FL Studioの場合はサンプルの編集画面を開き、「BOOST」ツマミを回してください。

そして下の「CLIP」ボタンをオンにするとクリッピングさせることができます。
ただ無理やりクリッピングさせるこの手法は、波形が角ばって耳に痛いサウンドになりがちですし
アングラ感が増すぶん、好みが分かれるので取り扱いには注意しましょう。
ディストーション
ディストーションも音を歪ませるエフェクトですが、歪みによって倍音を大幅に増加させるのに優れています。
そのため強いアタック感と荒々しさを感じるサウンドに仕上がります。
目立つエフェクトなので、積極的に歪みを表に出したいサウンドに使っていきましょう。
個人的によく使うのはFL Studio付属の「Fruity WaveShape」です。
これはマスタートラックに挿すこともあります。

少しいじるだけでも音が歪みまくるので攻撃的なサウンドを作るのにおすすめです。
ビットクラッシャー
ビットクラッシャーとは、「ビット深度」や「サンプリングレート」を下げることで独特のノイズを生み出すエフェクトです。
音の解像度を下げることでサウンドが荒くなるというわけです。
昔の8bitのゲーム音楽のような雰囲気を作れるため、Digicoreやローファイ系音楽との相性が抜群です。
ドラムスやシンセにかけることで特徴的なサウンドにすることも可能ですし、ボーカルにかけるとロボットやボカロ風の音声になります。
楽曲の一部分、例えばブレイクなどに一瞬だけビットクラッシャーをかけるのもかっこいいのでおすすめですね。

