普通のボーカルとは違った特性が求められるラップのレコーディング用マイクについて、価格や使用環境、ブランドに応じて紹介していきます。
レコーディング・リハーサルスタジオのスタッフとしてマイクを扱っていた経験も踏まえて解説していきます。
ダイナミックマイク
ダイナミックマイクは比較的頑丈な作りでライブパフォーマンスや配信に適したマイクです。
細かいノイズや環境音を拾いづらいため防音環境でなくても活躍するのが強みですが、
本格的な音源を制作するためのレコーディングでは、繊細な音のニュアンスまで捉えられないのであまり使われることがありません。
レコーディングだけでなく配信や通話、ライブなどでも使えるマイクが欲しいという方にはおすすめのタイプでしょう。
SHURE SM7B
SHUREのSM7Bはヒップホップ界隈ではかなり人気のマイクです。
よくポッドキャストやラジオ動画で使われているマイクですね。
上位モデルの「SM7db」についてC.O.S.A.さんが動画の中で紹介していました↓
人声の美しさを引き出す自然で温かみのあるサウンドが特徴で、ラップのレコーディングでも声の力強さやニュアンスを余すことなく表現してくれます。
・内部には空気圧式衝撃アイソレーターとポップフィルターを内蔵しており、マイクに伝わる振動ノイズや呼吸音(ポップノイズ)を効果的に抑制
・PCや機材から発生する電磁波ハムノイズをシャットアウトする高度なシールド構造や、指向性の高い単一指向性を採用
完璧な防音環境でなくても使えるというのが一番の魅力です。
SHURE SM58
「SHURE SM58」は世界中のライブハウスやスタジオでド定番になっている業界標準マイクです。
音楽に触れたことのある人なら一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
発売から60年間、音楽市場を独占してきた王道中の王道マイクです。
・振動に強いショックマウントを内蔵
・息や風切り音からマイクを守るスチール製グリルと内蔵ポップフィルターの二重構造
そしてライブで乱暴な扱いをしたりシャウトしたりしても簡単には壊れないマイクなので耐久性は間違いないでしょう。
ただレコーディングで使われる本格的なマイクと比べると音質は劣るため、あくまでもライブでの使用をメインに使う人におすすめの商品です。
コンデンサーマイク
コンデンサーマイクはダイナミックマイクに比べて集音能力に優れており、
息づかいや声の細かな表情まで正確に表現できるため、本格的な楽曲のレコーディングやボーカル収録に使われています。
ただ繊細なため衝撃に弱かったり湿度管理が必要だったりと、扱いが難しいのがデメリットでしょう。
また部屋の環境音や反響音も拾ってしまうため、基本的にはスタジオなどの防音室での使用が推奨されます。
NEUMANN(ノイマン)
ノイマン(NEUMANN)は、世界中の録音スタジオで最高峰の標準機として君臨するドイツの名門マイクブランドです。
たまにラップのリリックの中でも出てきます。
中でもノイマンの「U87Ai」はレコーディングマイクの金字塔的存在であり、プロのレコーディングにおいては業界標準のマイクです。
THE FIRST TAKEとかでよく見るこのマイクですね。
ただこの「U87Ai」は大体50万円以上するのでとても素人が買える代物ではありません。
そこでおすすめなのが手軽にノイマンサウンドを取り入れられる定番モデル
「TLM 102」や「TLM 103」です。
「U87Ai」より出来ることは少ないですが、ノイマン特有の高解像度の音質はきちんと再現されています。
プロデューサー・ビートメイカーのSTUTSさんも愛用していました。
私は「TLM 102」を所有していますが、やはりボーカルの録音においてはノイマンサウンドが段違いでお気に入りです。
・TML102は最大耐音圧が144dB SPLとノイマンの中でもトップクラスに大音量に強い
・ノイマンのサイドアドレス型マイクでは唯一、本体内にポップシールドを内蔵
・ノイズの少なさを示す等価ノイズは12dB-A(U87Aiと同等の数字)
U87Aiの廉価版と言われていますが、プロでも普通に使うモデルですし本格的な音源を録りたい方にはおすすめのマイクでしょう。
audio technica(オーディオテクニカ)
比較的お手頃な価格かつ安心の国内ブランド、audio technica(オーディオテクニカ)です。
初心者向け〜ミドルクラスの製品が充実しており、コスパを追求するなら最適なブランドでしょう。
音質の特徴としては「クセがなくバランスのとれた音」が挙げられます。
確かに10万円を軽く超える有名ブランドのマイクは音が派手だったり、唯一無二のサウンドを録音してくれるかもしれませんが
オーディオテクニカのマイクは、間違いない確実なサウンドを手頃な価格で提供してくれるという安心感があります。
あとは国内のメーカーということもあり、マイクスタンドやポップガードなどの付属品もラインナップが豊富です。
使っている人も多いので機材の使い方やレビューなどの情報も沢山ネット上にアップされていますね。
オーディオテクニカのマイクで人気のモデルは
定番モデルの「AT4040」
エントリーモデルの「AT2020」の2トップだと思います。
AT2020は1万円台前半で購入できるとても手軽なモデルのマイクです。
安いながらも基本的なコンデンサーマイクの機能は揃えており、初心者でも扱いやすい作りになっています。
ただ低音の厚みやノイズ対策に関してはやはりAT4040に比べると劣る、との声があるため
本格的にラップをやりたいと思っている方は、全体的にバランスの良いAT4040で活動を始めるのがおすすめです。
AKG(アーカーゲー)
AKG(アーカーゲー)は、オーストリアのウィーンで設立された老舗の音響機器メーカーです。
AKGマイクの最大の特徴は、「抜けの良いクリアな高音域」でしょう。
高音が少し強調されているため、声の高い女性ボーカルなどにとっては合わないと言われることもありますが
これがラップになると、声の倍音部分がくっきりとして輪郭がわかりやすくなるためむしろメリットになり得ます。
AKGコンデンサーマイクの定番と言えば「C414」が有名です。
「Genius」のパフォーマンスでよく使われているマイクもおそらくC414の上位グレードだと思います。
ただこちらは最低でも10万円以上する本格モデルなので、まずは人気モデルの「C214」がおすすめでしょう。
「C414」の質感はそのままですが、指向性などの機能を制限することで手頃な価格に設定しています。





