不協和音程とは
「不協和音」と聞くと、踏切の音や緊急アラートの音など、非常に不快な音をイメージする方が多いですが、


実は不協和音程の定義は広く、不快感を与えるものだけではないんです。
そもそも不協和音程とは、音楽的に不安定とされる音と音の距離のことを言います。
半音(隣り合った音)が不協和音程というのは結構有名ですが、実はセブンスの音やナインスの音も不協和音程に含まれています。
ここで不協和音程の一覧を紹介します。下に行くほど音の不安定さ、緊張感が増していきます。
長2度(M2)
・2半音
・テンションだと9th(ナインス)
・音の距離が近いためやや不安定だが不快感はない

短7度(m7)
・10半音
・マイナーセブンスの七度
・こちらもやや不安定だか不快感はない

長7度(M7)
・11半音
・メジャーセブンスの7度
・非常に不安定な音程だが、メジャーセブンスとして扱うことで不快感は感じなくなる

短2度(m2)
・1半音
・テンションだとフ♭9th(フラットナインス)
・隣り合った音程のため、非常に強い緊張感がある

増4度(A4)/減5度(d5)
・6半音
・テンションだと#11th(シャープイレブンス)
・トライトーンと呼ばれる、非常に強い緊張感

アヴォイドノートとトライトーン
アヴォイドノートは直訳すると「避けるべき音」ですが、あくまでも「取り扱い注意な音」だと思っています。
アヴォイドノートには先述した不協和音程のうち、短2度(半音)と増4度/減5度(トライトーン)が含まれます。特に不安定で緊張感のある2つですね。
コードに対してメロディが半音やトライトーンの音程になるときは、不自然になっていないかを確認するようにしましょう。
DTMではメロディをコピーしてコードの上に張り付ければ、アヴォイドノートが視覚的にわかるようになるのでおすすめです。

慣れてくると聴いただけでもアヴォイドノートが分かるようになるので安心してください。
不協和音程をうまく使う方法
不協和音程、さらにはアヴォイドノートも使ってはいけないわけではないとお話しましたが
実際にそのような音を使いこなす方法をいくつか紹介します。
まずセブンスの音ですが、メジャー/マイナーセブンスの7度として使うことができます。

R&Bやジャズなどでみる洒落た雰囲気を演出できますが、独特の浮遊感があるのでキャッチーなフレーズを作るには向いていないかもしれません。
ナインスの音も同様ですが、三和音(普通のメジャコード)にナインスの音を合わせることで「add9コード」(アドナインスコード)を作ることが可能です。

有名曲だとBUMP OF CHICKENの「天体観測」がサビのメロディがナインスの音になっていて、アドナインスナインスコードのキラキラした印象を与えてくれます。
最後にアヴォイドノートですが、強烈な緊張感を逆に利用することで楽曲に取り入れることが可能です。
メタル系やヒップホップのトラップビートなどのダークなジャンルでは、アヴォイドノートの緊張感と不安感を生かすことができます。
簡単なビートを作ってみました。2小節目のFとBの音がトライトーンになっていますが、この不気味な響きがダークな雰囲気を演出してくれています。
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