スペック
まずスペックですが、基準となるのはDAW(楽曲制作用のソフト)が快適に使えるかどうかです。
CPU
CPUとは、簡単に言うとPCの脳みそのようなものです。

CPUの性能がいいほど、処理速度の向上や複雑な作業への対応が可能なため、重要なパーツといえるでしょう。
MacBookとWindowsで同じくらいの性能のCPUを並べてみるとこんな感じになります。
| 用途・レベル | MacBook(Mチップ) | Windowsでの相当スペック |
|---|---|---|
| 入門〜軽作業 (トラック少なめ) | MacBook Air M1 / M2 | Intel Core i5 第10〜12世代 Ryzen 5 5600U〜7600U |
| 標準的なDTM作業(トラック数多め・プラグイン多用) | MacBook Air M2 / M3 MacBook Pro 14 M2 Pro | Intel Core i7 12700H〜13700H Ryzen 7 7840HS 以上 |
| プロ用途/大規模DTM(オーケストラ音源・多数のプラグイン) | MacBook Pro 14 MacBook Pro 16 M2 Max MacBook Pro 16 M3 Max | Intel Core i9 13900K Ryzen 9 7950X 相当 |
ここでいうトラックとは、音を出す楽器やサンプルの数だと思ってもらって大丈夫です。
実はサンプルの音を取り込んで楽曲にする「サンプリング」や、同じくサンプルのハイハットや808などのドラムスを打ち込む作業はあまりCPUに負荷はかかりません。
CPUにとって負担なのは、シンセやオーケストラ、ピアノ、ギターなどの楽器、「音源プラグイン」を使って打ち込みをする作業です。

さらにプロのビートメイカーのように複雑なエフェクトをかけたりするミキシング作業もCPUを使いがちです。
自分がどのスタイルでどの程度までビートメイクをするかによって求める性能は変わってくると思います。
メモリ
メモリとは、簡単に言うと同時に作業できる容量の大きさのことです。
DAWで楽曲制作をするときは、沢山の音源やエフェクトのプラグインを立ち上げるためメモリが重要になってきます。
さらにビートメイクをしながらブラウザで調べものをしたり、サンプルを探したりするとなるとメモリが足りなくなってしまう可能性があります。
ビートメイク初心者におすすめなメモリは8GB~32GBの範囲でしょう。
| 用途 | おすすめ容量 | 内容の目安 |
|---|---|---|
| 初心者・軽いDTM | 8GB | 音源プラグイン数個を使ったビートメイク |
| 一般的なDTM | 16GB | 複数の音源、基本的なミックス |
| 本格的な制作 | 32GB | 大容量の音源プラグイン、多数のトラック |
個人的には16GBでも本格的なビートメイクはできると思っていますが、8GBだとかなり足りない印象です。
32GBになると容量の心配はほぼなくなり、大体メモリが余っている状態になります。
ストレージ
ストレージはご存知かと思われますが、データを貯めておく場所です。
現在はSSDというストレージが主流になっており、耐久性、転送速度ともに優れているのが特徴です。
HDD(ハードディスク)というものもあるのですが、こちらは速度がSSDに比べると遅いため、あまり使わない過去データやバックアップの保存として使うのがおすすめです。

SSDは最低でも500GB以上あると楽曲制作では困らないでしょう。
本格的な制作をするとなると、ひとつの総合音源だけで500GBを超えてしまうものもあるので1TB以上はマストかと思われます。
| 用途 | ストレージ構成例 |
|---|---|
| 初心者 | SSD 500GB~1TB |
| 中級〜本格制作 | SSD 1TB + HDD 2TB(バックアップ) |
| プロ・大規模音源使用 | NVMe 1TB(OS)+ NVMe 2TB(音源)+ SSD 1TB(プロジェクト)+ HDD(アーカイブ) |
ノートPC or デスクトップ
ビートメイクで使うPCはノート型かデスクトップか、これは皆さん気になるところでしょう。


それぞれのメリット・デメリットをまとめてみました。
ノートPC
・持ち運びが可能、スタジオでのセッションや外の現場でDJをすることなども可能
・価格が高め
・寿命が短め(熱に弱く、ファンの音が気になる場合も)
デスクトップ
・持ち運びができない、広い作業スペースを確保する必要がある
・メモリやSSDなどを増設することができる
・同価格のノートPCと比べると高性能(コスパ◎)
・PCの知識があれば自分で修理、交換が可能なため寿命も長い
個人的な印象ですが、ビートメイカーはノートPCを使っている人の方が多い気がしています。
やはりレコーディングやDJの現場に持っていくからというのが主な理由でしょう。

もしくはデスクトップとノートの2台使いというケースもよくありますね。
Windows or Mac
PCのOSはWindowsかMacの二択になると思います。
それぞれの特徴をまとめるとこんな感じです。
Windows

・コスパがいい(同価格帯のMacよりも高性能)
・拡張、自作などの自由度が高い(ストレージやメモリの拡張、自作PCなど)
・ASIOドライバの設定をする必要がある
Mac

・Logic Pro、GarageBandが使える(Windowsでは使えない)
・標準搭載されているドライバが優秀なのでオーディオインターフェースなしでも音がいい
・価格が高い
・操作が直感的で分かりやすい
やはりビートメイカーに限らず、音楽関係ではMacを使っている人が多いように感じます。
PCに詳しくなくても操作が覚えやすいため初心者の方にもおすすめでしょう。
一方、高性能PCを手の届く価格で手に入れたいという人はWindowsがおすすめです。
オーディオインターフェースなどの外部機器を持っていたり、PCの知識があるという中級者以上の人にはメリットが大きいでしょう。
ビートメイクにおすすめのパソコン5選
Apple 2025 MacBook Air M4
AppleのM4チップを搭載したMacBook Airです。
MacBook AirのM1モデルと比べると処理速度が最大2倍となっています。
大画面の15インチと、よりコンパクトな13インチの大きさを選ぶことが可能です。どちらも超薄型のため持ち運びにはぴったりでしょう。

他にもバッテリーの駆動時間が最大18時間と一日中使える設計となっています。
自宅外でも快適にビートメイクをしたい、という方におすすめのPCです。
Apple 2025 MacBook Pro
Macで本格的なビートメイクをしたいなら最新のMacBook Proがおすすめです。
M5、M4Pro、M4MAXのチップを選択可能で、どれも楽曲制作には十分な性能だと思います。

バッテリーは最大24時間駆動、画面サイズは14インチと16インチが選択可能なので自宅での本格的な作業にも、持ち運びにもおすすめです。
またHDMIのポートも設置されているので、DTMではおすすめなマルチディスプレイでの作業も簡単にできます。
ビートメイクを本気でやりたいと思っている方は最新のMacBookに投資してみてはいかがでしょうか。
Apple 2024 Mac mini
Macを使いたいけれど価格を抑えたい、デスクトップを置くスペースがない、という方におすすめなのがMac miniです。
ほぼ手のひらサイズなのに中身はAppleのM4を搭載したゴリゴリのMacという、まさにコスパ最強PCになります。
コンパクトで低価格なだけでなく、ポートの数が充実しているのもメリットです。楽曲制作を極めて行くと外部機器の接続でポートの数が必要になっていくからです。

ただし本体のみの販売ですので、ディスプレイを自分で用意する必要はあります。
GALLERIA RL5C-R35-5N
GALLERIA(ガレリア)のゲーミングノートPCになります。
ゲーミングノートPCのためグラフィックボードもGeForce RTX 3050を搭載しており、ゲームはもちろん、動画編集など楽曲制作以外の場面でも活躍します。
またポートの数がかなり多く、マイク入力やHDMIはもちろん、有線LANにも対応しています。

ビートメイク以外にも使えるコスパのいいPCが欲しい、高画質な画面がいいという方にはおすすめです。
Dell Inspiron 14 8840U
ビジネス用PCのイメージが強いDELLのPCですが、このモデルはビートメイクができる性能なのに10万円以下で手に入ります。
CPUはAMD Ryzen 7 8840Uを搭載し、メモリ16GB、ストレージも1TBと十分なスペックを備えています。
ただ見た目や画質に関しては若干業務用感がありますが、自宅やスタジオで軽く使う程度であれば気にならないでしょう。
実は筆者もこのモデルで楽曲制作をしていました。詳しい使用感についても記事を書いているのでぜひご覧ください。
Windowsのデスクトップなら自作がおすすめ
ビートメイクなどの楽曲制作で快適に使えるPCは10万~20万円前後が相場ですが、Windowsの自作PCなら10万円以下でも組むことが可能です。
筆者も実際に8万円ほどで楽曲制作用のPCを自作し、ビートメイクやミックス・マスタリングにも使用していました。
詳しくはこちらの記事で解説しているので良ければご覧ください。
PCに詳しい方や自作PCに興味がある方は低価格でPCが手に入るうえに、いい経験にもなると思うのでおすすめです。











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