サイドチェインとダッキングの違い
正確にはサイドチェインはエフェクト処理の「手法」であり、ダッキングはエフェクトの「効果」という違いがあります。
サイドチェインの手法とは、エフェクトのかかり具合を他のトラックの信号(サイドチェイン入力)によって決める仕組みのことです。
それに対しダッキングの効果とは「キックがなっている時にベースの音量を下げる」など、特定の音を避けるための音量調整を指します。
簡単に言うと「ダッキングをするためにサイドチェインという手法を使っている」わけです。
でもサイドチェインとダッキングはどちらも同じ意味で使われているのでそこまで違いを気にする必要はないと思います。
プラグインを使えば作業が簡単に
このサイドチェインはコンプレッサー単体でやるとなると少々めんどくさいです。
サイドチェイン信号を送るのも少し複雑ですし、リリースの設定も初心者のうちは難しいと感じるかもしれません。

確かに慣れれば簡単にできますが、ダンスミュージックなどサイドチェインを多用するジャンルではサイドチェイン専用プラグインを使うのが便利でしょう。
視覚的に理解できるうえ、ほぼ挿すだけなのでわけの分からないツマミをいじくる必要はありません。
また仕組みがシンプルな分、価格もお手頃なものがほとんどです。
無料・付属プラグイン
Gross Beat
DAW(楽曲制作ソフト)でFL Studioをお使いの方は朗報です。
なんとFL Studioには疑似サイドチェインができる「Gross Beat」というプラグインが付属しています。
標準プリセットに「sidechain」があるので、これを挿すだけでもダッキング効果が得られます。
ただサイドチェイン信号の入力はできないので、あくまでもボリュームオートメーション的な立ち位置と思ってください。
Gross BeatはサイドチェインだけでなくLFOやピッチシフター的な使い方もできるので、FLユーザーの筆者も重宝しています。
Flux Mini 2
無料プラグインでサイドチェインをかけるならこの「Flux Mini 2」がおすすめです。
基本的なサイドチェインがかけられる上に、カーブも自由に編集可能。
しかもフィルターまで内部に搭載されています。
ただ動作が若干重いとの声も見られるので、ある程度のスペックは必要かもしれません。
無料なら十分な内容かと思いますが、さらに作りこみたい場合には上位モデルの「Flux Pro」がおすすめです。

Caelum Audio Flux Pro
定価:¥10,296 または¥864/月でレンタル可能
おすすめのサイドチェイン用プラグイン
EDMをつくるなら「Kickstart2」
ダンスミュージック系の大物プロデューサー、Nicky Romero本人が監修したプラグインです。
基本的なサイドチェイン信号の入力に加え、
・ダッキングのシェイプとして16個のプリセットを用意
・ダッキングのタイミングを自由にずらして調整可能
・ダッキングをかける帯域を指定可能
有名プロデューサー達のお墨付きですので、4つ打ち系の曲で使うなら間違いないでしょう。

Nicky Romero Kickstart 2
定価:16ドル
コスパ最強「Duck」
個人的に今回紹介するプラグインの中では、最もスタンダードなプラグインだと思っています。
・サイドチェイン信号入力、LFO使用から低域と高域の個別処理まで基本的な機能は搭載
・ダッキングカーブ8個、プリセット58個を選択可能
「余計な機能はいらん、サイドチェインさえできればいい」という感じですが、価格も安く、CPU負荷も軽いので十分ではないでしょうか。

Devious Machines Duck
定価:¥3,321
ミックスにもこだわる人向け「Volume Shaper 7」
「Volume Shaper 7」の大きな特徴は、
低音域、中音域、高音域のそれぞれに独立したLFOを設定することができる、マルチバンド機能です。
加えてサイドチェインにありがちな、コンプレッションによるクリックノイズやポップノイズを抑制する機能も搭載されています。
普通にサイドチェインを行うだけでなく、ミックスまで見据えた細かい処理までできるので中上級者向けかなとは思います。

Cableguys VolumeShaper 7
定価:¥4,816
シンプルな操作「ShapeMod」
このプラグインはプリセットが75種類とかなり多く、操作が直感的で簡単なのが特徴です。
LFOカーブの編集、帯域のバランス調整もできるので、初心者はもちろんミックスにこだわる人にもおすすめできます。
またプラグイン販売サイトの「Plugin Boutique」が自らプロデュースしているため、セールを頻繁に行っている印象があります。

Plugin Boutique ShapeMod
定価:¥8,138→¥3,155
シンプルの極み「OneKnob Pumper」
名前の通り、一つのノブをいじるだけのシンプルなプラグインです。
ただしサイドチェイン入力はできないようなので、あくまでサイドチェイン風のエフェクトが得られるLFO的な立ち位置かと思います。
そのため不規則なキックなどには対応できませんが、4つ打ちなどの規則的なノリには即戦力として使えるかと思います。
サイドチェインを多用するEDM系などでは時短アイテムとして役立つかもしれません。

Waves OneKnob Pumper
定価:¥13,061→¥4,958
AIにおまかせ「pure:unmask」
「pure:unmask」は音のぶつかりを解消することを目的として作られたプラグインです。
最大の特徴は入力した音をAIが解析し、ほぼ自動で調整を行ってくれる点です。
自分で調整を行う場合もツマミが少ないので、初心者の方にもおすすめです。
ただあくまで音の隙間を作るという感じのエフェクトのため、ダッキングは控えめという意見が多く見られます。
EDMなどに見られる派手なダッキングには向いていないかもしれませんが、普通の歌モノとかでこっそりサイドチェインをかける場合には活躍しそうです。

sonible pure:unmask
定価:¥8,138→¥4,816
自然なダッキング「Trackspacer」
こちらも「pure:unmask」と同じく、音のぶつかり合いを解消するためのダイナミクス系EQです。
サイドチェインを入力すると自動で特定の周波数を抑制します。周波数帯は32バンドに分かれており、それぞれが独立して処理されます。
音のぶつかる不要な部分だけを削るため、元の印象を大きく変えない自然なエフェクトを売りにしているようです。
やはりサイドチェインで派手な縦ノリを作るというよりは、さりげなく自然な処理をしたい人向けだと思います。

Wavesfactory Trackspacer
定価:¥9,754
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