【DTM】見て分かるEQの仕組みと使い方

DTM

イコライザー(EQ)は楽曲制作において欠かせないエフェクターです。

EQについて勉強すると音に対する理解が深まり、ミックス力も格段に上がると思います。

この記事ではDTMを始めたばかりの方や、EQの仕組みがいまいち分からないという方に視覚的に分かりやすく解説していきます。

イコライザーとは

そもそもイコライザー(EQ)とは特定の周波数帯域を増減させることのできるエフェクトです。

例えばこれはFL Studio付属のEQですが、標準的なEQの形としてあげてみます。

一番下に書いてある数字が周波数、20Hz~20kHz(20000Hz)までいじることができます。

そして右側の数字が音量(dB)、-18dB~18dBまで増減させることができます。

EQの横軸を動かすと周波数、縦軸を動かすと音量が変化します。

種類

EQもいくつか種類があります。

パラメトリックEQ

基本的にツマミだけで構成されているものが多く、帯域や音量、幅などを調整することができます。

EQに慣れていれば使いやすいですが、視認性が悪いというデメリットがあります。

グラフィックEQ

こちらは周波数やカーブの幅などが固定されており、音量の調整のみを行えるEQです。

例えばこれはApple MusicのイコライザーですがグラフィックEQの形式です。

視認性はいいですが、細かい調整には向いてないのでDTMではあまり見かけないです。

パラグラフィックEQ

上の二つを合わせたもの、DTMプラグインなどに多いデジタルEQのことを言います。

視認性もよく、細かい調整も行えるため初心者の方にはおすすめです。

帯域とミックス

ではなぜEQを使うのか?という前提について話しましょう。

もちろんEQを使う理由はたくさんありますが、その一つに音の棲み分けがあります。

楽曲製作は限られたスペースに色々な楽器の音を詰め込んでいくようなものです。

荷物のパッキングや弁当箱に食材を詰める作業をイメージしてみてください。

例えばギターの音は低音から高音まで幅広く鳴らせることができますが、もしギターの低音が大きすぎたらどうなるでしょうか。

バンドであればベースやキックなどの低域を担当するリズム隊の邪魔をしてしまいます。

こんな時にEQでギターの低域を削ってあげればギターとベースなどの帯域が重なることがなく、スッキリとしたサウンドになるわけです。

シェイプ(形)

パラグラフィックEQはカーブを描くことでエフェクトをかけることができます。

いくつか基本的な形について説明します。

High pass&Low pass

この二つは音量の最低値からカーブを描き、広い帯域を削ることができます。

ハイパスはローカットと同じで低音成分にがっつり削るものです。

その逆でローパスはハイカットと同じく高音成分を削ります。

Peaking

ピーキング(ベル)は特定の帯域だけを増減させるのに使います。EQと言えばこの機能がまず思い浮かぶのではないでしょうか。

ここで着目したいのがカーブの幅です。このカーブの幅のことを「Q」と言います。

ピーキングの場合Qを広げるとカーブが緩やかになり、ピーキングの範囲が広がります。

Shelf

シェルフ(シェルビング)は特定の帯域を均一に増減させるのに使えます。

Notch

ノッチは先ほど紹介したピーキングのQがめちゃめちゃ狭いやつです。特定の帯域をピンポイントでカットすることができます。

EQによってはこの機能の名前が違ったり、そもそもついていなかったりします。

ここまで紹介した機能を使って、ここからは実践的な説明をしていきます。

具体的な使い方

他の楽器とのバランス

先程話したように音の棲み分けは重要です。楽器にはそれぞれおいしい部分があるのでそれを邪魔してしまう帯域はカットしましょう。

EX:ベースを邪魔してしまうため、ピアノの低域をハイパスでカット

  ギターの中域がヴォーカルを聞こえづらくしてしまうためピーキングでカット

オイシイ部分を強調

これは積極的な音作りの例として挙げられます。

EX:シンバルの倍音成分をシェルビングで強調する

ヴォーカルの倍音成分をピーキングして楽曲の中での存在感をアップさせる、などなど

ただこれらはやりすぎると耳に痛く聞こえてしまう場合もあるので注意です。

余分な成分を削る

倍音成分の多い楽器では色々な周波数帯の音が鳴っていますが、その中であまり聴きごごちのよくない成分が鳴ってしまうこともあります。

例えば耳が痛くなるキンキンとした音です。

こういった音を見つけるためには、まず大げさにピーキングして横軸の周波数帯だけ移動して探すのが効果的です。

問題の周波数帯が分かったら縦軸の音量を下げることで解決します。

ここでQを狭めて音量を大幅にリダクションさせれば、先ほど紹介したNotchの形になるという感じです。

それぞれの音に対してどのような調整をするのか、それともしないのかは自分の耳で聞き比べて判断するのが重要です。

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