重なるシンセの音が特徴的なレイジビート。
US hiphopでは全盛期を過ぎたと言われていますが、まだまだ大きいサブジャンルの一つです。
実はレイジビートはビートメイクがそこまで難しくないジャンルでもあります。
この記事では手軽に作れるレイジビートについて紹介します。
レイジビートとは
そもそもレイジビートとは?個人的には
派手な音色のシンセサイザーが目立つ、ゲーム音楽やエレクトロの要素とTrapの要素が融合したものだと思っています。
レイジの代表曲と言えばやはりTrippie ReddのMiss The Rageでしょう。
この曲に客演として入っているPlayboi Cartiもレイジの代表的なアーティストとしても有名。
ほかにおすすめなアーティストはSoFaygo、Ken Carson、Yeat、Lil Uzi Vertなどが有名です。
↑この曲はザ・レイジビートという感じで分かりやすいです。
シンセトラック
まず一番目立つシンセトラックから作るのがおすすめです。テンション上がるので。
主にリード(メロディ)とコードに分けて打ち込むことをおすすめします。
コード
レイジビートで使うコードは少なくても大丈夫です。
例えば人気のこの曲も、最初は2つのコードでリフ感を作っています。トップノートの半音の動きが印象に残りますね。
いくつかレイジビートで使えるものを紹介します。
シンセのマイナーコードはダークで時には悪魔的なサウンドを鳴らすことができます。
あとかなり使えるのがパワーコード(3度を省略)です。メジャーコードの代わりにパワーコードを使うことで緊張感が生まれ、レイジの世界観を作るのに役立ちます。
テンションの9thやsus4(11th)を使うことにより明るくて壮大なイメージに仕上げることもできます。
理論的に考えすぎるよりも、打ち込みながらかっこいい響きを探していくことは忘れないでください。
あとシンセはボイシングが重要です。ボイシングについては下の記事で解説しています。
リード
リードを付けるか否か、リードとコードどちらを先に付けるかはセンスに任されますが、つける場合は音色が大事だと思います。
リードがコードの音に埋もれないことは大前提です。歪ませたりする方法もありますが、個人的にはリードの音に動きを付けるのがおすすめです。
LFOでフィルターなどを動かす手法
スライドさせて音をつなげる手法
アルペジオ
物足りないと思ったときはプラック系のアルペジオを足すというアイデアもあります。
これは大げさですが、あくまで他の音を邪魔しない程度がいいと思います。
ドラムス
ドラムスはトラップビートをベースに作るのがいいと思います。
ドラムスの音色も基本的に歪みがかかっていて大丈夫です。逆にシンセに埋もれてしまうとよくないかもしれません。
特にハイハットの存在感は重要だと感じています。
ハイハットの存在感を出すためには単純な音量調節だけでなく、倍音の付加(ディストーション系)、ステレオ感の調整(Ozone Imagerなど)も有効です。
あとはハイハットにダブラーを少しかける手法も厚みを出すのに効果的です。
レイジビートはトラックが比較的派手になるので、ハイハットロールなどで刻むとかっこよくなると思います。ハイハットの打ち込みテクニックは下の記事をご参照ください。
キックは重い感じ、生音感よりエレクトロを感じる方がマッチすると思います。FL Studioの場合、サンプラーにブーストやクリップのスイッチがついているので試してみましょう。
808
808(Bass)も曲の雰囲気に合わせて選びましょう。
簡単にできる打ち込みテクニックとしてはやはりオクターブの変化だと思います。
ex)8分の刻みを入れる
スライドさせてグルーヴ感を出す
このような手法は曲に変化を与え、次のパートへの流れをスムーズにできます。
それとシンセの音域は広いので、ボイシングなどによって808の帯域を邪魔してしまう場合には低域をカットした方がいいかもしれません。
楽曲構成
シンセトラックとドラムス、808で1ループが出来たら、そこから1つの曲へと広げていきます。
基本的にはHook(サビ)ですべてのインストが鳴ると考えて、そこから引き算で他のパートを作っていくといいと思います。
そして曲を退屈にしないために有効な手段がフィルター系エフェクトです。シンセトラックをずっと鳴らしたままだとHookなどの盛り上がりにかけてしまいます。
盛り上げたいパートの前からフィルターをかけておきオートメーションで徐々にフィルターを開放していく、ダンスミュージックなどでも見られる定番の手法です。
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