ビートメイクをする上で避けて通れない要素と言えばサンプリングではないでしょうか。
サンプリングはヒップホップにおける重要な文化であり、ビートメイクにおいて大きな役割を担っています。
一見難しい手法のようにも感じますが、ビートメイクを始めたばかりの方にとっては一から音を作るよりも形になりやすいと感じています。
この記事ではPCを使ったサンプリングのやり方と実用的なテクニックについて紹介します。
始める前に
機材について
まずサンプリングは機材によってやり方が異なります。
この記事ではPCを使ってDAW(楽曲製作ソフト)を使用した場合について解説します。最低限PCとDAWの2つがあれば大丈夫です。
他にはAKAIのMPCなどサンプラーを用いた手法が有名ではないでしょうか。サンプリングといえばこちらの方がしっくりくると思います。
著作権
実はサンプリングに関しては法律的に見ると曖昧なところが多いです。
もちろん直接許可を取って交渉すれば問題ないかもしれませんが、無断で他のアーティストの曲を使って訴えられたとしても仕方ありません。
個人的には
- 非営利目的で使用する
- ロイヤリティフリーの音源を使用する(spliceやloopcloudなど)
- 自分で連絡をとれるアーティストに交渉して許可をもらう
このあたりが無難だと考えています。
特にロイヤリティフリーの音源に関してはよく使うことが多く、トップで活躍しているビートメイカー達でも使っているそうです。
基本的なやり方
BPMを決める
使用するサンプルを選んだら、まずBPM(速さ)を変えたいと思うかもしれません。
FL Studioでのやり方について紹介します。
まずサンプラーを開き、Modeをstretchにしてください。resampleの状態だとピッチも変わってしまいます。
そしてTIMEを右クリックし、Autodetectをクリックします。
Type in BPMをクリックし、使用するサンプルのBPMを入力して完了します。
操作に慣れている方はstretch audioをオンにして、サンプルをドラッグすることでもBPMを変えられます。
⇔をオンにします。こちらの方が手っ取り早いです。
サンプルのBPMを合わせる詳しいやり方はこちらでも解説しています。
キーを決める
キーを変えたい場合についても解説します。
先ほど紹介したBPMと同様にModeをstretchにしておきます。
今度はPitchのノブを調整します。
100centsで半音、1200centsでオクターブ移調できます。つまりこのサンプラーでは上下合わせて2オクターブ移調可能です。
ピッチを下げるとダークなイメージにすることが出来るかもしれませんし、上げてポップな音色にすることもできます。
EQで余分な帯域をカットする
ピッチを変えると低音成分または高音成分が多くなってしまい、音割れや音が濁る原因にもなります。
例えばピッチを大幅に下げた場合、もともとあった低音部分が低くなりすぎて聞くに堪えないのでカットした方がいいです。
ビートメイクの過程で808やkickを入れるのでサンプルの超低音成分はなるべく減らしましょう。
ピッチを上げた場合も高音成分が多くなりすぎて耳が痛くなってしまいます。EQで各帯域をブーストしてみて、カットする部分を探すことができます。
リバース加工
サンプルを逆再生する方法です。TrapやDrillでは定番の手法です。ストリングスなど生楽器に使われることが多く、ダークな雰囲気を醸し出すことができます。
Fl Studioのサンプラーにはリバーススイッチがついています。
応用テクニック
ブレイクビート、ボーカルチョップ
ブレイクビートとは既存のリズムやメロディを分解して再構築したものです。
サンプルをチョップして作ることもできますが、プラグインを使うと楽です。
私はFL StudioのSliceXを使っています。この手のプラグインは自動でチョップしてくれるので便利です。
ローファイ加工
サンプリングと言えば古いレコードをディグって使うイメージがあるのではないでしょうか。
テープのあたたかみやレコードの質感を与えるプラグインを使うことで音源のレベルを上げることができます。
有名どころだとXLN-AudioのRC-20
無料プラグインだとiZotopeのVinylなどがあります。
モジュレーション系
サンプルのピッチや音量に変化を与える工夫をします。
例えばテープストップやスクラッチ
サイドチェインのような効果を設定することもできます。
Gross BeatというFL Studioの付属プラグインが有名です。
CubaseだとFX Modulationが近いです。
まとめ
サンプリングを使えば初心者でもかっこいいビートを作ることができます。
自分なりにエフェクトをかけたり試行錯誤してみるのもいいかもしれません。
この記事がお役に立てば嬉しいです。
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